聖夜の性癖暴露大会

注意書き 前半はセクシュアリティについてのお話。後半は性癖暴露大会。今回はセンシティブな話題を取り扱っているため、不快に思われる方もいるかもしれません。ご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

セクシュアリティ(?)についてのお話

 

これは告白です。どうして、このような場で、告白するのか。正直なところ、自分でも分かりません。ただ、自分の考えを言葉にしておきたかった。そして、言葉にするならば、誰かに見られることを前提に書きたかった。それに尽きます。

 

最近、僕は自身の性的嗜好を考えることが多いです。どちらかと言えば、セクシュアリティに思いを馳せることが多い と言ったほうが適切かもしれません。

 

では、僕のセクシュアリティはどういうものか。これは自分にも分かりません。そんな馬鹿なと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、本当に分からないのです。これは僕が不勉強なことにもよります。ただ、色々なことを調べてみても、どれもしっくりと来ない。そんな感覚がつきまとってくるのです。

 

そのため、これからの告白は、不明瞭な点が多く含まれます。そのことをご了承いただけると助かります。

 

 

さて、話を始めるまえに、僕の性的嗜好がどういうものかを明らかにしておきたいと思います。

 

端的に言えば、僕は女装男子が好きです。それも、女装男子女装男子がアレコレするのが好きです。僕は意識していなかったのですが、調べてみると、どうやら、女装男子×女装男子はBL(ボイーズラブ)にカテゴライズされることもあるらしいです。

 

では、BLも好きなのか?これは難しいところです。何故かと言えば、僕はBLがどういうものかをよく分かっていないからです。けれど、フィクションにおいて、男性同士の行為を見ることに抵抗がないことは確かです。

 

さて、ここまでの話を纏めると、僕は同性愛者なのではないか。そう思われる方もいられるかもしれません。これについては、僕自身も分かりません。第一に、不勉強であるから。第二に、恋愛感情というものが分からないから。

 

恋愛感情が分からないとはどういうことなのでしょうか。そのまえに、少しだけ、昔話をしたいと思います。

 

中学時代、僕は「恋愛感情」というものを覚えていた と記憶しています。正直なところ、自分でもよく分からないです。ただ、そんなものがあったなぁという曖昧な記憶だけがあるのです。

 

けれど、高校時代、大学時代を経て、恋愛感情というものが徐々に分からなくなってきました。人が好きになれないというものではなく、自分の好きが恋愛感情と呼ばれるものなのかが分からなくなってきたのです。

 

では、僕にとって、好きはどういうものなのか。端的に言えば、とても曖昧なものです。性別で区別されることはなく、誰かが「特別に好き」だという感覚は乏しい。そういうものです。勿論、好きにグラデーションはあります。けれど、特別はないのです。はたして、これが恋愛感情と言えるのか。だとすると、僕は多くの人に恋愛感情を抱いていることになるのでしょうか。色々と考えていると、何も分からなくなってきます(補足、そういう好きの在り方に否定的なわけではないです)

 

恋愛感情が分からないことの理由のもう一つに、僕は、僕と関わりのある人々に性的欲求を抱けないというものがあります。(性的欲求を含まない、恋愛感情というものもあるかもしれません)付言すると、現実の対象に性的欲求を抱けないというわけではないです。例えば、そういうビデオ(規約に抵触しそうなので、ぼかします)の女優、男優には興奮できます。ただ、僕と関わりのある人々にはそういう感情は発生しないのです。言葉を濁さずに言えば(●●と恋人になりたいなぁ。hしたいなぁとか。そういうものです)

 

あと、独占欲(?)が弱いことにもよりそうです(多分)誰かを自分の特別にしたいという感情も薄いですが、誰かの特別になりたいという感情も薄いので(ゆるい関係を続けたい)

 

だからこそ(?)、僕には、自分のセクシュアリティが分からないです。フィクションにおける、自身の性的嗜好を加味すると、僕はバイセクシュアルということになるのでしょうが(多分)、現実における、自身の性的嗜好(?)を加味すると、僕はAロマということになるのでしょうか……(あまり詳しくないので、よく分かりませんが)それとも、Aセク(でも、現実の対象には性的欲求を抱けるので……分からない……)?

 

 

と、ここまでが、セクシュアリティについての悩みになります。以下は、僕の性癖暴露大会です。一切の遠慮がないので、注意してください。

 

ご注意ください(二度目)

 

 

 

 

 

 

 

 

昔話

 

性の目覚めについて

 

確か、中学三年の頃だったと思います。きっかけは些細なことで、家にあった週刊誌のやらしいページを見てだったと思います(うろ覚え)このときは、性癖というものは確立されていなかったような気がしますね。

 

転換期

 

正直なところ、あまり大きな声で言えないのですが、昔、ネットで、同人誌を漁っていたとき(今はやっていないですが……それでも、良くないですね)。女装男子×女装男子の同人誌が目に留まりました。内容は、二人の男の子がいて、片方の子が女装が趣味で、その子に押しに負けて、もう一人の子も女装し始めますが、二人とも徐々に嵌まってきて、行為に耽っていくというものです(タイトルは忘れてしまいました)

 

そのとき、僕は衝撃を受けました。これが転換期でしたね。あれ以来、僕は女装男子に関心を持つようになったのだと思います(多分)

 

では、女装男子のどういうところが好きか。まず、女装が良い。例えば、女装ものの下着。男性が女性ものの下着を履くと、諸々の影響で、キツイと思うのですが(多分)、アレ(ボカス)があることによって、股間のあたりが膨らむのが良いですね。それを見て、相手の女装男子に言葉責めしてくるとなお良い。

 

「どうしたの……?女の子なのに、ここ膨らんじゃってるよ」とか言われて、サスサスされるのが最高。

 

あと、あれが大きくなって、スカートがツンと張るのも好きです。

 

第二に、女装(コスプレ)という行為自体のもたらす興奮ですね。なにより、僕は、女装男子で好きなのは、女装してからの行為ではなく、女装するまでの過程なんですよね。例えば、女装に興味を持つ子が、親のいないあいだに、ネットで購入したものをそろそろと取り出す。女装して、自撮りする。堪らないですね。そのあと、ネットに自撮りを上げて、どんどんとエスカレートしていくとなお良い。

 

あと、これは書くか悩んだのですが、前置きもしてあるので、書いておこうかなと。実は、女装男子×女装男子で好きなのは、本番ではなく、そのまえの行為なんですよね。例えば、あれを舐めるところだったり(ぼかす)妄想するだけで興奮できます(自分で書いていて、ドン引きされそうで怖くなってきましたが)

 

最後に、行為の最中に、腰を必死に振っている姿、可愛いですよね。

 

さて、ここまで、女装男子の話をしてきました。多分、僕はショタ×ショタ、美少年×美少年もいけます。もしかしたら、BLもいけるのかもしれないですね(BLがどういうものか分からないので、何とも言えないですが)

 

ちなみに、女装男子以外の性癖はないのか。多分、そんなにないです(あるにはあるが、そこまでのこだわりがない)。強いて言えば、コスプレが好きですが、これも女装男子の延長で、一番好きなのは女装男子(二次元キャラのコスプレ)と女装男子(同上)なので……

 

纏めると、女装男子のBL?が好きということですね。

創作日記 第五回『半径0メートルの幸福論』第一話 反省回

前書き どうもです。今回も添削作業をやっていきます。

 

シーン5 天音施音との再会②

 

意図 名前の提示

 

センテンス1 雨の音が聞こえてくる。

 

意図 状況描写

疑問点 本当に必要か。なくても、意味は通る。

修正案 カット

 

センテンス2 あのときに言えなかった言葉を、お礼を言わないと。そう思っても、口が思うように動いてくれない。

意図 心情、身体描写

疑問点 やや冗長か

修正案 言えなかった言葉を、お礼を言わないと。けれど、口は思うように動いてくれない。

 

ここまでの修正箇所

雨の音が聞こえてくる。あのときに言えなかった言葉を、お礼を言わないと。そう思っても、口が思うように動いてくれない。

 

ここまでの修正案

あのときに言えなかった言葉を、お礼を言わないと。けれど、口は思うように動いてくれない。

 

 

 

センテンス3 「あの……本当にありがとうございました。あのままだったら、わたし……」

 

助けられた子が口を開く。声が震えている。その顔は青ざめていた、

 

意図 状況描写

疑問点 特になし

修正案 特になし

 

センテンス4 「気にしないで。たまたま、通りかかっただけだから」

 

鈴が鳴るような声。やはり、そうだ。聞き間違いではない。彼女は制服のズレをテキパキと直していく。そのとき、彼女が小鐘高校の制服を着ていることに気が付いた。

 

意図 状況描写 施音の描写

疑問点 「やはり、そうだ。聞き間違いではない」は本当に必要か。

修正案 「やはり、そうだ。聞き間違いではない」をカット。

 

センテンス5 やがて、彼女は歩道橋をあとにした。結局、僕は何もすることができなかった。己の不甲斐なさに腹が立つ。お礼の言葉を言うこともできないなんて……

意図 状況、心理描写

疑問点 「結局」は必要か。

修正案 「結局」はカット。

 

センテンス6 心の中を、黒々としたものが占めていく。思わず、顔をうつむけてしまう。そのとき、足元に何かが転がっていることに気付いた。

意図 心理描写

疑問点 「心の中を~」説明的。一人称の描写として適当か。そのときは必要か。

修正案 気持ちが落ち込む。思わず、顔をうつむけてしまう。足元に何かが転がっていることに気付く。

 

ここまでの修正箇所

 

「あの……本当にありがとうございました。あのままだったら、わたし……」

 

助けられた子が口を開く。声が震えている。その顔は青ざめていた、

 

「気にしないで。たまたま、通りかかっただけだから」

 

鈴が鳴るような声。やはり、そうだ。聞き間違いではない。彼女は制服のズレをテキパキと直していく。そのとき、彼女が小鐘高校の制服を着ていることに気が付いた。

やがて、彼女は歩道橋をあとにした。結局、僕は何もすることができなかった。己の不甲斐なさに腹が立つ。お礼の言葉を言うこともできないなんて……

心の中を、黒々としたものが占めていく。思わず、顔をうつむけてしまう。そのとき、足元に何かが転がっていることに気付いた。

 

ここまでの修正内容


「あの……本当にありがとうございました。あのままだったら、わたし……」

助けられた子が口を開く。声が震えている。その顔は青ざめていた、

「気にしないで。たまたま、通りかかっただけだから」

鈴が鳴るような声。彼女は制服のズレをテキパキと直していく。彼女が小鐘高校の制服を着ていることに気が付いた。

やがて、彼女は歩道橋をあとにした。僕は何もすることができなかった。己の不甲斐なさに腹が立つ。お礼の言葉を言うこともできないなんて……気持ちが落ち込む。思わず、顔をうつむけてしまう。そのとき、足元に何かが転がっていることに気付いた。

 

 

 

 

 

 

センテンス7 (これは……学生証?)制服が汚れないように、ひざをゆっくりと曲げ、落ちているものを手にとる。

意図 状況描写

疑問点 特になし

修正案 特になし

 

センテンス8 やはり、学生証だ。カバーの表面には、星と鐘が組み合わせられたかのような紋章が刻印されている 小鐘高校の校章。

意図 状況描写

疑問点 やはり、学生証だ。は必要か。

修正案 「やはり、学生証だ。」をカット。

 

センテンス9 若干の躊躇がよぎる。勝手に見てもいいのだろうか。けれど、これが誰のものかが分からないと、どうすることもできない。学生証のカバーをそっと取り外す

意図 状況描写

疑問点 けれど 

修正案 けれど→でも

 

センテンス10 そこには、さきほどの彼女の姿があった。白髪(はくはつ)の少女。名前の欄を見る。天音施音(あまねしおん)。それが彼女の名前だった。

意図 名前の提示。シーンのかなめ

疑問点 そこには は必要か。名前の欄を見るは不要。

修正案 そこには、名前の欄を見る。をカット。

 

ここまでの修正箇所

 

(これは……学生証?)

 

制服が汚れないように、ひざをゆっくりと曲げ、落ちているものを手にとる。やはり、学生証だ。カバーの表面には、星と鐘が組み合わせられたかのような紋章が刻印されている。小鐘高校の校章。若干の躊躇がよぎる。勝手に見てもいいのだろうか。けれど、これが誰のものかが分からないと、どうすることもできない。学生証のカバーをそっと取り外す。そこには、さきほどの彼女の姿があった。白髪(はくはつ)の少女。名前の欄を見る。天音施音(あまねしおん)。それが彼女の名前だった。

 

ここまでの修正案

 

(これは……学生証?)

制服が汚れないように、ひざをゆっくりと曲げ、落ちているものを手にとる。学生証だ。カバーの表面には、星と鐘が組み合わせられたかのような紋章が刻印されている。小鐘高校の校章。若干の躊躇がよぎる。勝手に見てもいいのだろうか。でも、これが誰のものかが分からないと、どうすることもできない。学生証のカバーをそっと取り外す。

さきほどの彼女の姿があった。白髪(はくはつ)の少女。天音施音(あまねしおん)。それが彼女の名前だった。

 

後書き

 

今回は 修正箇所が少なかったですね(と言っても、まだ一回目の暫定的なものですが)

創作日記 第四回『半径0メートルの幸福論』プロローグ 反省回(簡易版)

前書き どうも。仔月です。最近は、モデリングVtuber に嵌まっています。どちらもやっていると、どっちかの精度が落ちるので、良い感じの塩梅を見つけていきたいです。今回は中途半端な終わり方ですが、理由は集中力が切れたからです……

 

シーン4 あの日の彼女との再会

 

意図 「未来視」の提示。天音施音との再会。

 

改札機に切符を通す。そうして、人の流れに吞まれながら、なんとか、駅の構内を抜け出す。思わず、息をついてしまう。まさか、この時間帯の駅がこんなに混雑しているだなんて。中学までは徒歩で通学していたから、満員電車がこれほどの疲労感をもたらすことに想像が及ばなかった。それでも、これからはこの電車に乗ることになるのだ。気合を入れ、前を向く。

 

センテンス1 改札機に切符を通す。

意図 シーンに切り替えに伴った。状況の提示。

疑問点 そもそも、このセンテンス群は必要か。後の文で、駅と出ているので、改札機は必要ないのでは?

修正案 切符を通す。

 

センテンス2 そうして、人の流れに吞まれながら、なんとか、駅の構内を抜け出す。

意図 状況描写

疑問点 そもそも、必要か。ここを無くすと、味気なくなる?バランスが難しい。

修正案 人の波に吞まれながら、駅の構内を抜け出す。

 

センテンス3 思わず、息をついてしまう。

意図 間接的な心理描写

疑問点 必要か。思わずはいる?

修正案 思わず、息をついてしまう。

 

センテンス4 まさか、この時間帯の駅がこんなに混雑しているだなんて。中学までは徒歩で通学していたから、満員電車がこれほどの疲労感をもたらすことに想像が及ばなかった。

意図 独白。心理描写

疑問点 流石に、冗長すぎるのでは?しかも、重要な情報がない。

修正案 カット

 

センテンス5 それでも、これからはこの電車に乗ることになるのだ。気合を入れ、前を向く。

意図 独白。心理描写。「未来視」への繋ぎ。一瞬の間を作る。

疑問点 「この」はおかしくないか。毎日、本当におなじ電車に乗るとは限らない。

修正案 カット

 

 

そのとき、奇妙なものが脳裏を走った。それは光景。そのなかで、僕は歩道橋の上を渡っていた。目の前には、小鐘高校の制服を着た女の子。やがて、階段に差し掛かる。そのとき、女の子が態勢を崩してしまう。そして、女の子は頭から落ちていく。やがて、大きな音が響く。階下には、女の子が倒れている。真っ赤な血を流しながら……

 

センテンス6 そのとき、奇妙なものが脳裏を走った。

意図 同上

疑問点 特になし

 

センテンス7

意図 「未来視」の提示。

疑問点 このあと、同じ表現が出てくる。意図しているが、くどくはないか?そのときは必要、

修正案 そのとき、奇妙なものが脳裏を走った。

 

センテンス8 そのなかで、僕は歩道橋の上を渡っていた。

意図 同上

疑問点 そのなかで、は必要か

修正案 僕は歩道橋を渡っていた。

 

センテンス9 目の前には、小鐘高校の制服を着た女の子。

意図 同上

疑問点 「小鐘高校の制服」という情報は必要か。

修正案 目の前には、女の子の姿が。

 

センテンス10 やがて、階段に差し掛かる。

意図 同上

疑問点 接続語、多すぎる。

修正案 階段に差し掛かる。

 

センテンス11 そのとき、女の子が態勢を崩してしまう。

意図 同上

疑問点 そのときは必要か。女の子は彼女に置換可能?

修正案 そのとき、彼女が姿勢を崩す。

 

センテンス12 そして、女の子は頭から落ちていく。

意図 同上

疑問点 そしては必要か。女の子も?

修正案 頭から落ちていく。ゆっくりと。

 

センテンス13 やがて、大きな音が響く。階下には、女の子が倒れている。真っ赤な血を流しながら……

意図 同上

疑問点 には ではなく、 では?

修正案 やがて、大きな音が響く。階下では、女の子が倒れている。真っ赤な血を流しながら

 

頭を押さえる。まただ。あの日以来、奇妙な光景が脳裏を走るようになった。今まで、さまざまな光景を見てきた。そして、その光景のいくつかは実現してきた。だから、僕はこれを「未来視」と呼ぶようになった。

 

センテンス14 頭を押さえる。

意図 未来視に伴うもの

疑問点 必要か?未来視は突発的なものなため、必要。

修正案 なし

 

センテンス15 まただ。あの日以来、奇妙な光景が脳裏を走るようになった。

意図 これまでの経験の示唆

疑問点 まただ、は不要なのでは?あの日以来、~呼ぶようになったという表現あることから、何回かは経験していることが伺える。

修正案 あの日から、奇妙な光景が浮かぶようになった。

 

センテンス16 今まで、さまざまな光景を見てきた。

意図 同上

疑問点 今までは必要か

修正案 さまざまな光景を見てきた。

 

センテンス17 そして、その光景のいくつかは実現してきた。だから、僕はこれを「未来視」と呼ぶようになった。

意図 同上

疑問点 説明的。要検討。と言っても、未来視と呼ぶまでの過程を描くと冗長すぎる。「未来視」という語句を自然に出すのが妥当か。

修正案 特になし

 

センテンス18 そして、これが「未来視」によるものならば、この光景は実現するかもしれない。だとすると……

意図 「未来視」についての説明

疑問点 説明的すぎる。

修正案 カット

 

(あの女の子が危ない……!)

 

辺りを見渡す。ここの通りを沿っていったところに歩道橋が見える。きっと、あれだ。急がないと……無我夢中で足を動かす。手遅れにならないように。

 

歩道橋の階段を登っていく。全力で駆け抜けたからか、息がきれそうになる。けれど、止まるわけにはいかない。そうして、階段を登り切る。顔を上げる。歩道橋の通りを女の子が歩いている。見ると、階段に差し掛かりかけている。

 

センテンス19 (あの女の子が危ない……!)

意図 帰結の提示

疑問点 わざわざ書く必要があるか。ある。行動の根拠。

修正案 特になし

 

センテンス20 辺りを見渡す。ここの通りを沿っていったところに歩道橋が見える。きっと、あれだ。急がないと……無我夢中で足を動かす。手遅れにならないように。

意図 状況描写

疑問点 特になし。

 

センテンス21  歩道橋の階段を登っていく。全力で駆け抜けたからか、息がきれそうになる。けれど、止まるわけにはいかない。そうして、階段を登り切る。顔を上げる。歩道橋の通りを女の子が歩いている。見ると、階段に差し掛かりかけている。

 

意図 状況描写

疑問点 そうして、は必要か。顔を上げる。は必要か。いるの重複。

修正案  歩道橋の階段を登っていく。全力で駆け抜けたからか、息がきれそうになる。けれど、止まるわけにはいかない。階段を登り切る。歩道橋の通りには女の子が。見ると、階段に差し掛かりかけている。

 

センテンス22(休憩している時間はない……!)

 

最後の力を振り絞り、駆けだす。

 

「待って! そこの君!」

 

精一杯声を張り上げる。けれど、雨の音に掻き消されてか、女の子はずんずんと進んでいく。

 

(駄目だ。このままでは追いつかない)

 

意図 状況描写

疑問点 特になし。

 

息が上がっている。足の感覚も曖昧だ。日頃の運動不足がたたっている。それでも、泣き言を言っている場合ではない。足に力を入れ、一気に踏み込む。徐々に距離が近づいてくる。そして、女の子の背中に手が届きそうになる。その瞬間、彼女の姿勢が崩れる。

 

センテンス22 息が上がっている。足の感覚も曖昧だ。日頃の運動不足がたたっている。

意図 身体感覚の描写

疑問点  日頃の~が説明的

修正案 息が上がっている。足の感覚も曖昧だ。

 

センテンス23 それでも、泣き言を言っている場合ではない。足に力を入れ、一気に踏み込む。

意図 同上

疑問点 特になし。

 

センテンス24 徐々に距離が近づいてくる。そして、女の子の背中に手が届きそうになる。その瞬間、彼女の姿勢が崩れる。

意図 状況描写

疑問点 そしては不要。

修正案  徐々に距離が近づいてくる。女の子の背中に手が届きそうになる。その瞬間、彼女の姿勢が崩れる。

 

彼女の手をとるため、足を踏み込もうとする。そのとき、母さんのことが脳裏をよぎった。一瞬の躊躇が僕の足を止めた。そうして、彼女はゆっくりと落ちていき……

 

「どいて。危ないから」

 

思わず、声のほうを見る。少女が自分のわきをすり抜けていく。そして、何の躊躇もなく踏み込む。倒れていく彼女のほうへ。少女は一足飛びに階段を駆け下りていき、落ちてきた彼女をグッと抱きとめた。

 

「大丈夫かしら? 怪我はない」

 

鈴のなるような声。サラサラとした白い髪。そして、どこかあどけなさが残る顔立ち。

 

「はい……大丈夫です。ありがとうございます」

 

彼女は困惑しているようだった。きっと、何が起こったか分からないのだろう。

 

少女がこちらを見る。くりくりとした目に魅入られる。髪の毛の色は変わっている。けれど、僕が彼女を見間違えるはずがない。何度も夢に見てきたのだから。あの日の光景を。

 

「やっと……会えた」

 

その日、ぼくはあの日の少女に再会した。

 

センテンス25 彼女の手をとるため、足を踏み込もうとする。そのとき、母さんのことが脳裏をよぎった。一瞬の躊躇が僕の足を止めた。そうして、彼女はゆっくりと落ちていき……

意図 状況描写

疑問点 彼女の は必要か。そうしては不要。

修正案 そうしてをカット。

 

創作日記 第三回 『半径0メートルの幸福論』プロローグ 反省回

前書き

 

ということで、今回もやっていきます(省略)

 

『半径0メートルの幸福論』

 

 

シーン3 朝の風景

 

意図 母との関係性 父の不在 父への感情(伏線)

 

疑問点 父への感情の描写は必要。けれど、朝食のシーンは必要か。もう少し、カットできる。あるいは、膨らませることができる(何らかの意味を持たせて)しかし、母の役割はここまでということを考えると、あっさり済ませても良さそう。

 

センテンス1 居間に着く。母さんは席につき、テレビを眺めている。

 

意図 どこにいるか。誰がいるか。何をしているか。視点人物の視点の情報

 

疑問点 テレビを見ているは必要か。テレビを見ることによる意味。後のシーンに繋ぎやすくなる。

 

修正案 特になし。

 

 

センテンス2 今日の朝食は、白ご飯、焼き魚、味噌汁、漬物だった。味噌汁の香りが食欲をそそる。

 

意図 状況描写。

 

疑問点 情報はこれで十分か。とりわけ「味噌汁の香りが食欲をそそる」

 

修正案 今日の朝食は。白米、焼き魚、味噌汁、漬物だった。

 

センテンス3 「「いただきます」」

 

二人の声が揃う。箸と食器が触れ合う音が響く。黙々と食事を進めていく。

 

意図 センテンス2からの繋ぎ。母親との関係性。

 

疑問点 特になし。

 

修正案 特になし。

 

センテンス4ふと、テレビを見る。

 

意図 センテンス1からの繋ぎ。

 

疑問点 ふとは必要か。

 

修正案 テレビを見る。

 

センテンス5 そこには、朝のニュース番組が映し出されていた。ちょうど、今日の天気のコーナーだ。どうやら、今日の天気は雨らしい。

 

意図 今日の天気についての情報。雨、あの日の連想。

 

疑問点 あの日の連想は、直前のシーンでされている(寝汗、彼女に会えていない云々)ここで、もう一度やる意味はあるのか。

 

修正案 朝のニュース番組が映し出されていた。ちょうど、今日の天気のコーナーだ。どうやら、雨らしい。

 

センテンス6 せっかくの入学式の日にあいにくの雨。昔から、雨には良い思い出がない。今朝の夢を思い出しそうになる。

 

意図 同上

 

疑問点 同上

 

修正案 あいにくの雨。昔から、雨には良い思い出がない。今朝の夢が甦りそうになる。

 

ここまでの修正箇所

 

居間に着く。母さんは席につき、テレビを眺めている。今日の朝食は、白ご飯、焼き魚、味噌汁、漬物だった。味噌汁の香りが食欲をそそる。

 

「「いただきます」」

 

二人の声が揃う。箸と食器が触れ合う音が響く。黙々と食事を進めていく。ふと、テレビを見る。そこには、朝のニュース番組が映し出されていた。ちょうど、今日の天気のコーナーだ。どうやら、今日の天気は雨らしい。せっかくの入学式の日にあいにくの雨。昔から、雨には良い思い出がない。今朝の夢を思い出しそうになる。

 

修正案の纏め

 

居間に着く。母さんは席につき、テレビを眺めている。今日の朝食は、白米、焼き魚、味噌汁、漬物だった。

 

「「いただきます」」

 

二人の声が揃う。箸と食器が触れ合う音が響く。黙々と食事を進めていく。テレビを見る。朝のニュース番組が映し出されていた。ちょうど、今日の天気のコーナーだ。どうやら、雨らしい。昔から、雨には良い思い出がない。今朝の夢をが甦りそうになる。

 

 

センテンス7 「雨なのねぇ。桜も散ってしまうのかしら」

 

と、母さんは言う。僕のことを気遣ってくれているのだろう。あれ以来、母さんはあの日のことを触れないでいてくれる。その気遣いが嬉しかった。

 

意図 母との関係。

 

疑問点 と、母さんは言う。は必要か。あれ以来~も必要か。

 

修正案 と母さんは言う。母さんはあの日のことに触れないでいてくれる。その気遣いが嬉しかった。

 

センテンス8 「そうだね。校庭には、綺麗な桜が咲いているらしいけど……散ってしまうと残念だなぁ」

 

意図 会話への応答

 

疑問点 必要か

 

修正案 なし 会話への応答がないと不自然に思えてしまう。

 

センテンス9 箸を置く。時計を見ると、針は午前7時を指していた。今から出たら、ちょうど良い時間になるだろう。

 

意図 時間を示す。

 

疑問点 針は午前7時を指していた。は冗長すぎないか。今から出たら、ちょうど良い時間になるだろう。も本当に必要か。後の台詞で補えないか。

 

修正案 箸を置く。時刻は午前7時。

 

ここまでの修正箇所

 

「雨なのねぇ。桜も散ってしまうのかしら」

 

と、母さんは言う。僕のことを気遣ってくれているのだろう。母さんはあの日のことを触れないでいてくれる。その気遣いが嬉しかった。

 

「そうだね。校庭には、綺麗な桜が咲いているらしいけど……散ってしまうと残念だなぁ」

 

箸を置く。時計を見ると、針は午前7時を指していた。今から出たら、ちょうど良い時間になるだろう。

 

修正案の纏め

 

「雨なのねぇ。桜も散ってしまうのかしら」

 

と、母さんは言う。あれ以来、母さんはあの日のことを触れないでいてくれる。その気遣いが嬉しかった。

 

「そうだね。校庭には、綺麗な桜が咲いているらしいけど……散ってしまうと残念だなぁ」

 

箸を置く。時刻は7時。

 

 

センテンス10 「ごちそうさま、じゃあ、行ってくるね」

 

「歩、ちょっとだけ待ってくれる……?」

 

母さんが躊躇いがちに声をかけてくる。

 

「母さん、どうしたの?」

 

「せっかくの日だから、お父さんにも挨拶してあげてほしいの……」

 

意図 父との確執

 

疑問点 そもそも、このシーンは必要か。個人的に、施音先輩への動機付けの一つになっているので、省きたくない。

 

修正案 「ごちそうさま、じゃあ、行ってくるね」

 

「歩、ちょっとだけ待ってくれる……?」

 

躊躇いがちに声をかけてくる。

 

「どうしたの?」

 

「せっかくの日だから、お父さんにも挨拶してあげてほしいの……」

 

ここまでの修正箇所

 

「ごちそうさま、じゃあ、行ってくるね」

 

「歩、ちょっとだけ待ってくれる……?」

 

躊躇いがちに声をかけてくる。

 

「どうしたの?」

 

「せっかくの日だから、お父さんにも挨拶してあげてほしいの……」

 

 

センテンス11 そう言って、居間の奥の部屋を指す。思わず、顔をしかめそうになる。そこには、父の仏壇がある。僕が、10歳のとき、父は死んだ。病気ではない。人を助けて、それで死んだのだ。今日のような雨の日。川で溺れそうになっている子どもを見つけ、その子を助けるために川に飛び込んだ。そうして、父はその子を助け、あっけなく死んでいった。方々で、父の行いは称賛された。やれ、勇敢だ。やれ、献身的だ。昔からそうだった。困っている人を見ると、助けずにいられない人だった。別に、人助けが悪いことだとは思わない。けれど、死んでしまったあと、残される人のことも考えてほしかった……

 

意図 父との確執 穂鳥くんの感情

 

疑問点 説明的すぎないか?これほどの尺は必要か。説明っぽさを省くには、描写を通して、示す必要がある。そうなると、尺が膨れ上がる。そこまでする必要があるか。と言えど、先のセンテンスにおいて、この情報を出すことには意味があると(個人的に)結論付けたので、それならば、そうしたほうがいいかもしれない。しかし、そうするならば、回想シーンになる。やはり、難しいか。

 

センテンス11-1 そう言って、居間の奥の部屋を指す。

 

意図 母の行動の描写

 

疑問点 特になし

 

センテンス11-2 思わず、顔をしかめそうになる。

 

意図 穂鳥くんの感情の描写

 

疑問点 思わずは必要か?

 

修正案 顔をしかめそうになる。

 

センテンス11-3 そこには、父の仏壇がある。

 

意図 センテンス11-2の原因 

 

疑問点 特になし

 

修正案 特になし

 

センテンス 11-4 僕が、10歳のとき、父は死んだ。

 

意図 センテンス11-3の説明

 

疑問点 句点、多すぎる。

 

修正案 僕が10歳のとき、父は死んだ。

 

 

センテンス11-5 病気ではない。人を助けて、それで死んだのだ。

 

意図 センテンス11-4の説明

 

疑問点 このあとのセンテンスと情報が重複している。詳細な説明を持ってきたほうがいい。

 

修正案 削除

 

センテンス11-6 今日のような雨の日。川で溺れそうになっている子どもを見つけ、その子を助けるために川に飛び込んだ。そうして、父はその子を助け、あっけなく死んでいった。

 

意図 父の死因

 

疑問点 を見つけ~は必要か。助けるために~で統合できそう。そうして、は必要か。

 

修正案 今日のような雨の日、川で溺れそうになっている子を助けるために飛び込んだ。父はその子を助け、あっけなく死んでいった。

 

センテンス11-7 方々で、父の行いは称賛された。やれ、勇敢だ。やれ、献身的だ。

 

意図 世間の反応 後の文章への接続。ギャップを見せたい。

 

疑問点 方々で はカット可能かも。

 

修正案 父の行いは称賛された。やれ、勇敢だ。やれ、献身的だ と。

 

センテンス11-8 昔からそうだった。困っている人を見ると、助けずにいられない人だった。

 

意図 父がどういう人か。父の行為の理由を補強する

 

疑問点 本当に必要か。ただ、ここをカットすると、助けに飛び込んだことが当たり前のことなのか。例外的なことなのかが分からない。

 

修正案 特になし

 

センテンス11-9  別に、人助けが悪いことだとは思わない。けれど、死んでしまったあと、残される人のことも考えてほしかった……

 

意図 穂鳥くんの気持ち

 

疑問点 別に けれど は必要か。別に は必要なさそう、けれど はリズム的に欲しいか。

 

修正案 人助けが悪いことだとは思わない。けれど、死んでしまったあと、残される人のことも考えてほしかった。

 

センテンス12 だから、僕は……

 

意図 繋ぎの文

 

疑問点 本当に必要か。

 

修正案 カットしても意味は通る。

 

センテンス13 「ごめん、母さん。まだ、僕はあの人を許せそうにない……」

 

そう言うと、母さんは悲しそうな顔をした。居たたまれない。けれど、自分の気持ちに折り合いをつけることはまだできそうにない。そのことが堪らなく申し訳なかった。

 

意図 穂鳥くんの気持ち②

 

疑問点 そう言うと は必要か。堪らなく は必要か。

 

修正案 母さんは悲しそうな顔をした。居たたまれない。でも、気持ちに折り合いをつけることはできそうにない。そのことが申し訳なかった。

 

ここまでの修正箇所

 

そう言って、居間の奥の部屋を指す。思わず、顔をしかめそうになる。そこには、父の仏壇がある。僕が10歳のとき、父は死んだ。病気ではない。人を助けて、それで死んだのだ。今日のような雨の日。川で溺れそうになっている子どもを見つけ、その子を助けるために川に飛び込んだ。そうして、父はその子を助け、あっけなく死んでいった。方々で、父の行いは称賛された。やれ、勇敢だ。やれ、献身的だ。昔からそうだった。困っている人を見ると、助けずにいられない人だった。別に、人助けが悪いことだとは思わない。けれど、死んでしまったあと、残される人のことも考えてほしかった……

 

だから、僕は……

 

「ごめん、母さん。まだ、僕はあの人を許せそうにない……」

 

そう言うと、母さんは悲しそうな顔をした。居たたまれない。けれど、自分の気持ちに折り合いをつけることはまだできそうにない。そのことが堪らなく申し訳なかった。

 

修正案の纏め

 

 

そう言って、居間の奥の部屋を指す。顔をしかめそうになる。そこには、父の仏壇がある。僕が10歳のとき、父は死んだ。病気ではない。今日のような雨の日。川で溺れそうになっている子を助けるために飛び込んだ。父はその子を助け、あっけなく死んでいった。父の行いは称賛された。やれ、勇敢だ。やれ、献身的だ。昔からそうだった。困っている人を見ると、助けずにいられない人だった。人助けが悪いことだとは思わない。けれど、死んでしまったあと、残される人のことも考えてほしかった……

 

 

 

「ごめん、母さん。まだ、僕はあの人を許せそうにない……」

 

母さんは悲しそうな顔をした。居たたまれない。でも、自分の気持ちに折り合いをつけることはできそうにない。そのことが申し訳なかった。

 

 

センテンス14 靴を履き、傘を持つ。そうして、忘れ物がないかを確認する。

 

意図 繋ぎの文

 

疑問点 そうして は必要か

 

修正案 靴を履き、傘を持つ。忘れ物がないかを確認する。

 

センテンス15 「よし、大丈夫。じゃあ、いってくるよ」

 

「いってらっしゃい。気をつけてね」

 

玄関の扉を開ける。外では、雨が降り続いている。まるで、あの日の続きのように。

 

意図 締めの文。情景描写。

疑問点 「いってくるよ」の違和感。まるで、は必要か。リズムとして、残しておきたい。

 

修正案 「よし、大丈夫。じゃあ、いってきます」

 

「いってらっしゃい。気をつけてね」

 

玄関の扉を開ける。外では、雨が降り続いている。まるで、あの日の続きのように。

 

ここまでの修正箇所

 

靴を履き、傘を持つ。そうして、忘れ物がないかを確認する。

 

「よし、大丈夫。じゃあ、いってくるよ

 

「いってらっしゃい。気をつけてね」

 

玄関の扉を開ける。外では、雨が降り続いている。まるで、あの日の続きのように。

 

修正案の纏め

 

靴を履き、傘を持つ。忘れ物がないかを確認する。

 

「よし、大丈夫。じゃあ、いってきます」

 

「いってらっしゃい。気をつけてね」

 

玄関の扉を開ける。外では、雨が降り続いている。まるで、あの日の続きのように。

 

後書き

 

今回は修正箇所が少ないですね(相対的に)

創作日記『半径0メートルの幸福論』 第三回 反省回

前書き どうも。第三回ですね。添削作業を進めるたび、自身への負の感情の高まりを覚えますが、頑張っていきます。さて、この創作日記ですが、自作、『半径0メートルの幸福論』の添削作業が終わるまでは続けたいなと。しばらくは、反省回が続きそうです(少なくとも、次作の話になるまでは……)

 

センテンス12

 

そのとき、扉がノックされる。

 

「歩(あゆむ)、起きてる? 朝ごはん出来たわよ」

 

母さんだ。

 

「起きてるよ。着替えてから行く!」

 

意図 この場面単体での意味は弱い。強いて言えば、朝食を食べに行くシーンとの接続。中継場面

 

疑問点 そもそも、このシーンが必要か。書きたいものは、後の着替えのシーン。学校名を示唆。けれど、学校名を示唆するならば、他に方法もある。しかし、この場合、シーンの意図が不明瞭なため(例えば、着替えに手間取るといった場合、そういうことになれていないという情報を提示できる。が、本作品では、それが活かされていない)次作の課題とする。

 

修正箇所 なし

 

修正案の纏め なし

 

 

センテンス13 そう言うと、僕は、クローゼットの扉をグッと開ける。

 

意図 制服がどこにあるか。力が入っていること。

 

疑問点 力が入っていることを強調する意味はあるか。

 

修正案 クローゼットの扉を開ける。

 

 

センテンス14 そこには、小鐘高校の制服が。

 

意図 何故、クローゼットの扉を開けたか。

 

疑問点 特になし

 

修正案 特になし

 

 

センテンス15 慣れない手つきでそれを取り出し。袖を通していく。

 

意図 制服を着る 慣れていないこと

 

疑問点 慣れていないことを提示する意味はあるのか。

 

修正案 モタモタと取り出し、袖を通していく。

 

センテンス16 そうして、ネクタイを結ぼうとする。

 

意図 ネクタイを結ぼうとしている。

 

疑問点 そうしては必要か。そもそも、このシーンは必要か。

 

修正案 ネクタイを結ぼうとする。

 

 

センテンス17 今日まで、何度か練習してきた。にもかかわらず、僕の手は思うように動いてくれない。

 

意図 慣れていないこと 二回目

 

疑問点 にもかかわらず、は必要か。

 

修正案 今日まで、何度も練習した。けれど、手は思うように動いてくれない。

 

 

センテンス18 仕方がない。ベッドのわきのスマートフォンをとり、ネクタイの結び方を検索する。そして、それを机の上に立て掛け、見よう見まねで、ネクタイを結んでいく。

 

意図 慣れていないこと 三回目

 

疑問点 しつこすぎる。

 

修正案 スマートフォンを手に取る。ネクタイの結び方を検索し、机の上に立て掛ける。見よう見まねで、ネクタイを結んでいく。

 

ここまでの修正箇所

 

そう言うと、ぼくは、クローゼットの扉をグッと開ける。そこには、小鐘(こがね)高校の制服が。慣れない手つきでそれを取り出し、袖を通していくそうして、ネクタイを結ぼうとする。今日まで、何度か、練習してきた。にもかかわらず、僕の手は思うように動いてくれない。仕方がない。ベッドのわきのスマートフォンをとり、ネクタイの結び方を検索する。そして、それを机の上に立て掛け、見よう見まねで、ネクタイを結んでいく。

 

修正案の纏め 

 

クローゼットの扉を開ける。そこには、小鐘高校の制服が。モタモタと取り出し、袖を通していく。ネクタイを結ぼうとする。今日まで、何度も練習した。けれど、手は思うように動いてくれない。スマートフォンを手に取る。ネクタイの結び方を検索し、机の上に立て掛ける。見よう見まねで、ネクタイを結んでいく。

 

 

センテンス19 タイの先端を通す。わずかな満足感に浸る。これで綺麗に結べたはずだ。鏡を見る。首には奇妙な形状の紐が絡まっていた。スマホの画面を確認する。どう見ても、同じものには見えない。

 

(このっ! どうして、こんなに結びにくいものがあるんだ……

 

ため息をつきつつ、タイを解いていく。

 

意図 同上

 

疑問点 くどい。意味があるのか

 

修正案 削除

 

 

センテンス20 やっとの思いで、着替えを終える。何となく、落ち着かない。ふと、かたわらの姿見を見る。そこには知らない自分がいた。似合っていない。服に着られるとはこういうことを言うのだろう。

 

意図 着替えに苦労したということ。緊張しているということ

 

疑問点 「そこには~言うのだろう」似たような情報が多い。

 

修正案 やっと、着替えを終える。何となく、落ち着かない。ふと、傍らの姿見を見る。そこには知らない自分がいた。服に着られるとはこういうことを言うのだろう。

 

センテンス21 「歩。早くしないと遅刻するわよー」

 

階下から、母さんの声がしてくる。時計を見ると、六時三十分だった。急がないと、本当に遅刻してしまう。

 

「今、行くよ!」

 

そう言って、僕は部屋の扉を開ける。ある春の日。今日、僕は小鐘高校に入学する。

 

意図 階下での、朝食シーンへの繋ぎ

 

疑問点 本当に必要か。

 

修正案 「歩。早くしないと遅刻するわよー」

 

階下から、母さんの声がする。

 

「今、行くよ!」

 

部屋の扉をグッと開ける。ある春の日。今日、僕は小鐘高校に入学する。

 

ここまでの修正箇所

 

タイの先端を通す。わずかな満足感に浸る。これで綺麗に結べたはずだ。鏡を見る。首には奇妙な形状の紐が絡まっていた。スマホの画面を確認する。どう見ても、同じものには見えない。

(このっ! どうして、こんなに結びにくいものがあるんだ……)

ため息をつきつつ、タイを解いていく。

やっとの思いで、着替えを終える。何となく、落ち着かない。ふと、かたわらの姿見を見る。そこには知らない自分がいた。似合っていない。服に着られるとはこういうことを言うのだろう。

「歩―。早くしないと遅刻するわよー」

階下から、母さんの声がしてくる。時計を見ると、六時三十分だった。急がないと、本当に遅刻してしまう。

「今、行くよ!」

そう言って、僕は部屋の扉を開ける。ある春の日。今日、僕は小鐘高校に入学する。

 

修正案の纏め

 

やっと、着替えを終える。何となく、落ち着かない。ふと、傍らの姿見を見る。そこには知らない自分がいた。服に着られるとはこういうことを言うのだろう。

「歩―。早くしないと遅刻するわよー」

 

階下から、母さんの声がする。

 

「今、行くよ!」

 

部屋の扉をグッと開ける。ある春の日。今日、僕は小鐘高校に入学する。

 

後書き

今回も、重複している情報が多い。

創作日記 第二回 『半径0メートルの幸福論』プロローグ 反省回

1 前書き どうもです。今日も添削作業を進めました。本当は、昨日の分もやろうと思っていたのですが、体調が優れず、そこまでは手が回りませんでした(明日、やります)隔日更新になるかは自分の体調次第です。

 

『半径0メートルの幸福論』プロローグ

 

シーン2 穂鳥歩の目覚め。

 

意図 視点人物が何者であるかを読者に提示する。

 

センテンス1 目覚まし時計のけたたましい音が響く。

 

意図 眠っていたという情報を提示。

 

疑問 けたたましい は必要か。そもそも、目覚まし時計である必要はあるか。 

 

修正案 目覚まし時計が響く。

 

 

センテンス2 曖昧な意識のなか、手をグッと伸ばし、目覚まし時計を止める。

 

意図 目覚まし時計を止める。起きるとき、時計の音を止めるから。

 

疑問 何故、曖昧な意識なのに、目覚まし時計だと分かるのか。直前に、目覚まし時計という語句が出ているにもかかわらず、目覚まし時計と明記する必要はあるのか。

 

修正案 頭がボーッとする。手を伸ばし。時計の音を止める。

 

 

センテンス3 時刻は午前六時。

 

意図 今が何時かの情報を提示する。

 

疑問 時刻は は必要か

 

修正案 特になし。

 

 

センテンス4 春先だからか、外はまだ暗く、かすかな明るさがカーテン越しに透けている。

 

意図 季節、状況の提示

 

疑問 暗いのに、明るいとは。表現は妥当か。

 

修正案 春先だからか、外はまだ暗い。

 

ここまでの修正箇所

 

目覚まし時計のけたたましい音がひびく曖昧な意識のなか、手をグッと伸ばし、目覚まし時計を止める。時刻は午前六時。春先だからか。外はまだ暗く、かすかな明るさがカーテン越しに透けている。

 

修正案の纏め

 

目覚まし時計が響く。頭がボーッとする。手を伸ばし。時計の音を止める。時刻は午前六時。春先だからか、外はまだ暗い。

 

 

センテンス5 ふと気づく。

 

意図 「シャツが重い」

 

疑問 そもそも、これらの文章は必要か。

 

修正案 特になし。悪夢なので、酷い寝汗ぐらいはかくだろう(多分)

 

 

センテンス6 シャツが重い

 

同上

 

 

センテンス7 触ってみると、寝汗を吸っているようで、べったりと纏わりついてくる。

 

意図 悪夢だったということ。

 

疑問点 触ってみるとは必要か

 

修正案 寝汗を吸っているようで、べったりと纏わりついている。

 

 

センテンス8 さきほどの夢を思い出す。

 

意図 前文との接続

 

疑問点 夢を思い出すとは この場面では思い出されるのほうが適切か。

 

修正案 さっきの夢が思い出される。

 

 

センテンス9 あれから、数年が経った。

 

意図 時間経過 

 

疑問点 特になし。

 

修正案 特になし。

 

センテンス10 当時、僕の身体に外傷は認められなかったが、精神的なショックを受けていたようで、数週間、入院することになった。

 

意図 回想 追加の情報

 

疑問点 説明的すぎる

 

修正案 それでも、あの日を夢に見ることは多い。

 

センテンス11

 

(結局、あのときの彼女にお礼を言えていないなぁ)

 

そう、あの日以来、僕は彼女に会えていない。僕の命を救ってくれた人。もう一度会って、キチンとお礼がしたい。

 

意図 彼女には会えていないこと。

 

疑問点 情報が重複している

 

修正案 (結局、あのとき、お礼を言えなかったなぁ)

僕の命を救ってくれた人。もう一度会って、お礼がしたい。

 

ここまでの修正箇所 


ふと気付く。シャツが重い。触ってみると、寝汗を吸っているようで、べったりと纏わりついてくる。さきほどの夢を思い出す。あれから、数年が経った。当時、僕の身体に外傷は認められなかったが、精神的なショックを受けていたようで、数週間、入院することになった。そのあと、無事退院することはできたが、あの日のことを夢に見ることは多く、今になっても、こうして、記憶が甦ってくる。

結局、あのときの彼女にお礼を言えていないなぁ

そう、あの日以来、僕は彼女に会えていない。僕の命を救ってくれた人。もう一度会って、キチンとお礼がしたい。

 

修正案の纏め

 

ふと気付く。シャツが重い。寝汗を吸っているようで、べったりと纏わりついている。さっきの夢が思い出されるあれから、数年が経った。それでも、あの日を夢に見ることは多い。

(結局、あのとき、お礼を言えなかったなぁ)

僕の命を救ってくれた人。もう一度会って、お礼がしたい。

 

後書き

 

これは酷い(二回目)とにかく、何となくで、入れられている表現が多すぎる。推敲の段階で、そういうものは徹底的に精査したい。

 

創作日記 第一回 『半径0メートルの幸福論』プロローグ 反省回

1 前書き

お久しぶりです。生きています。仔月です。今回は、自作があまりに酷すぎたので、その添削の過程を残していこうと思います(自分への戒めとして)また、ここでの添削は、あくまで、暫定的なものなので、今後、最新版を出すという可能性はあります(別の記事としてですが)

 

大まかな流れ 添削において、まず、段落ごとに区切る。次に、センテンスごとに区切っていく。そうして、語句の検討に移る。

 

以下リンク

 

『半径0メートルの幸福論~Relative theory of happiness~』

 

段落①

それは最古の記憶。いつだったろうか。幼いころ、些細なことで、家族と喧嘩し、家を飛び出したことがあった。ポケットのなかにありったけのお小遣いを詰め込んで。そうして、雨が降るなか、近くの駅に駆け込み、切符を買った。どこへ行こうとしたかも覚えていない。ただ、遠くへ行きたかった。誰もいないところへ。けれど、そんなところに行くことなんて出来なかった。見知らぬ駅。いくら探っても、ポケットのなかは空っぽ。心のなかに冷たいものが満ちていった。そう、心細かった。雨に濡れながら、僕は必死に足を動かした。

 

 

センテンス1「 それは最古の記憶」

「それは」指示語は必要か?なくても、理解できる?

 

2「いつだったろうか」

直後の文を際立たせるなら、カットしたほうが良いか。

 

3「幼いころ」

「幼いころ」直前の「いつだったろうか」と齟齬が生じる?そこまではいかなくとも、疑問を生じさせる。

 

4「些細なことで」

特になし。

 

5「家族と喧嘩し、家を飛び出したことがあった。」

特になし。

 

6「ポケットのなかにありったけのお小遣いを詰め込んで。」

なかはカット可能。

 

7「そうして、雨が降る中、近くの駅に駆け込み、切符を買った。」

 

冗長すぎる、細かく区切ったほうがよいか。

EX(雨が降り続いていた。けれど、そんなことはどうだってよかった。雨に降られながら、近くの駅に駆け込む。そうして、切符を買った。)

駆け込む(駆け込んだ では そうして とのリズムが微妙。けれど、時制が混乱している)

 

8「どこへ行こうとしたかも覚えていない。」

 

も は置換可能。「も」ということは他に覚えていないことがあるはず。しかし、「いつだったろうか」をカットすると、矛盾が生じるため、「は」に変えたほうが無難。

 

9「ただ、遠くへ行きたかった。誰もいないところへ。」

特になし?

 

10 「けれど、そんなところに行くことなんて出来なかった。」

けれど 置換可能。けれど→でも など なんてはそのままで良い?なんてにはそれを軽んじる意味がある。したがって、自身の考えの荒唐無稽さを示すには効果的か。

 

11 「見知らぬ駅」

特になし。

 

12 「いくら探っても、ポケットのなかは空っぽ」

特になし。なか→中?どちらがいい?

 

13 「心のなかに冷たいものが満ちていった。」

なか→中? 前文との対比。

 

14 「そう、心細かった」

特になし

 

15 「雨に濡れながら、僕は必死に足を動かした。」

気が付いたら、駅を出ていた。そうして、無我夢中に走り出す。家に帰りたかった……(時制の混乱。けれど、~たにするとたが重複しすぎる)場面が飛び過ぎ。駅にいたのに、どうして、外に?理由が必要。

 

添削後 段落① 訂正部分は赤字

最古の記憶。幼いころ、些細なことで、家族と喧嘩し、家を飛び出したことがあった。ポケットありったけのお小遣いを詰め込んで。雨が降っていた。けれど、そんなことはどうだってよかった。雨に濡れながら、近くの駅に駆け込む。そうして、切符を買った。どこへ行こうとしたか覚えていない。ただ、遠くへ行きたかった。誰もいないところへ。でも、そんなところに行くことなんて出来なかった。見知らぬ駅。いくら探っても、ポケットのは空っぽ。心のなかに冷たいものが満ちていった。そう、心細かった。気が付いたら、駅を出ていた。そうして、無我夢中に走り出す。家に帰りたかった……

 

 11/15 追記 (雨に濡れながらは不要)(そうして、無我夢中に のそうして、は不要では)

 

 段落②


気が付いたら、家の近くの大通りに着いていた。これで、家に帰れる。そう思い、足を踏み出そうとした。そのとき、奇妙なものが脳裏を走った。それは光景。そのなかで、僕の体は宙を舞っていた。やがて、それは地面にたたきつけられた。

 


1 「気が付いたら、家の近くの大通りに着いていた。」

いつの間にか(以下略) 先の修正案を適用する場合。気が付いたらが重複するため

 

2 「これで、家に帰れる。」

これでは必要か。カットできる。家に帰れる。

 

3 「そう思い、足を踏み出そうとした。」

特になし。

 

4 「そのとき、奇妙なものが脳裏を走った。それは光景。そのなかで(以下略)」

一回目。変な表現なので、多様しすぎると陳腐化する。

 

5「やがて、それは地面にたたきつけられた。」

それ=僕の身体。特になしか?

 

添削後 段落②

いつの間にか、家の近くの大通りに着いていた。これで、家に帰れる。そう思い、足を踏み出そうとした。そのとき、奇妙なものが脳裏を走った。それは光景。そのなかで、僕の体は宙を舞っていた。やがて、それは地面にたたきつけられた。

 

(11/15 追記 これで、は不要)

 

 

段落③
信号の音が聞こえてくる。奇妙な光景を追い出そうと、頭を必死に振り回す。そうして、僕は足を踏み出す。家に帰るために。瞬間、けたたましいクラクションの音が鳴り響いた。

 

 

1 「信号の音が聞こえてくる。」

信号の音が聞こえてくる。聞こえてくるor聴こえてくる のどちらか?聞こえるよりは聞こえてくる。「てく」には意味があるはず。てくるのほうが受動的だから。ハッと意識を取り戻した場合、こちらか。

 

2 「奇妙な光景を追い出そうと、頭を必死に振り回す。」

特になしか。

 

3 「そうして、僕は足を踏み出す。家に帰るために。」

そうして、足を踏み出した。家に帰るため リズムから、「に」は無くても大丈夫か。す→した 時制の混乱はある。

 

4 瞬間、けたたましいクラクションの音が鳴り響いた。

瞬間、そのとき 瞬間のほうが、より短い時間を表している?けたたましいクラクションの音→クラクションが クラクションでクラクションの音を意味できるか。

 

 

添削後 段落③

信号の音が聞こえてくる。奇妙な光景を追い出そうと、頭を必死に振り回す。そうして、僕は足を踏み出す。家に帰るため。瞬間、ラクションがけたたましく鳴り響いた。

 

 

 

段落④
衝撃が走る。気が付くと、僕は宙を舞っていた。くるくる、くるくると。やがて、僕の身体は地面にたたきつけられた。顔を上げると、大きな車から、何人かの男の人が飛び出してきた。どうやら、彼らは言い争っているようだった。ああ、これで終わりなんだ、僕は帰れないんだ。そう思うと、涙が溢れてきた。そのとき、泣き声が聞こえてきた。にじむ視界のなか、そちらに目をやる。そこには、少女がいた。彼女は泣きながら、僕の手をギュッと握ってくれていた。そうして、温かなものに包まれながら、僕は意識を手放した。

 

 


1 「衝撃が走る。」

轢かれたときの感覚がどのようなものかを、きちんと知る必要がある。ただ、この場面では、不意をつかれているため。衝撃としか認識できないのでは?冗長すぎると場面との齟齬が生じる。

 

2 「気が付くと、僕は宙を舞っていた。くるくる、くるくると。」

気付けば、僕は宙を待っていた。くるくる、くるくると。

ここは僕が必要。轢かれたあと、僕がどこにいったかを明確にするため、「ぼく」は必要。

 

3「やがて、僕の身体は地面にたたきつけられた。」

やがて、地面にたたきつけられた。読者の視点は、直前の文章で「ぼく」にフォーカスされているため、不要?

 

4「顔を上げると、大きな車から、何人かの男の人が飛び出してきた。」

ちょっと、文章を細切れにしすぎか。 

EX(顔を上げる。大きな車から、何人かの男の人が飛び出してきた。

 

5「どうやら、彼らは言い争っているようだった。」

説明不足。どうして、言い争っていることが分かったのか。あいだがない。ただ、入れると冗長すぎる?要検討

EX(いくつかの怒鳴り声。それに罵声も聞こえてくる。どうやら~みたいな?)

 

6「ああ、これで終わりなんだ。僕は帰れないんだ。」

だ が重なりすぎ。幼いころ、死を受け入れられるのか。

EX(ああ、これで終わり。僕は帰れないんだ)

 

7「そう思うと、涙が溢れてきた。」

特になし。

 

8「そのとき、泣き声が聞こえてきた。」

きたが重複していることが気になる。どちらかを弄るべきか。

 

9「にじむ視界のなか、そちらに目をやる。」

特になし。

 

10「そこには、少女がいた。」

どうして、視界が滲んでいるのに、少女とはっきり分かるのか。おかしい(声で分かるという意見もあるが、絶対ではない)勿論、彼がそう思いこんだと言うこともできる。

 

11「彼女は泣きながら、僕の手をギュッと握ってくれていた。」

ここはそのままでいい。二人の人物がいるので、それぞれの人物の行為を明確にしたほうがいい。

 

12「そうして、温かなものに包まれながら、僕は意識を手放した」

少なくとも、僕は はカット可能、ながらも微妙。

そうして、温かなものに包まれ、意識を手放した。

 

 

添削後 段落④
衝撃が走る。気が付くと、僕は宙を舞っていた。くるくる、くるくると。やがて、僕の身体は地面にたたきつけられた。顔を上げる。大きな車から、何人かの男の人が飛び出してきたいくつかの怒鳴り声。それに罵声も聞こえてくる。どうやら、彼らは言い争っているようだった。ああ、これで終わり。僕は帰れないんだ。そう思うと、涙が止まらなかった。そのとき、泣き声が聞こえてきた。にじむ視界のなか、そちらに目をやる。そこには、少女がいた。彼女は泣きながら、僕の手をギュッと握ってくれていた。そうして、温かなものに包まれて、意識を手放した

 

段落⑤
これで終わった。そう思っていた。けれど、僕はたたきつけられた。何度も、何度も。テープを巻き直すかのように。何回、たたきつけられただろう。それすらも分からなくなっていた、そのとき。ギュッと引き留められた。目の前を大きな車が通り過ぎていく。手の中には、暖かな感触。振り向くと、少女が僕の手を握ってくれていた。サラサラの黒い髪、くるくるした目。そこからは大粒の涙が零れ落ちていた。

 


1「これで終わった。そう思っていた。」

これで終わった……はずだった。けれど、(以下略)こちらのほうがシンプルか。

書きたいことは期待の裏切りなので

 

2「けれど、僕はたたきつけられた。何度も、何度も。テープを巻き直すかのように」

何度も、何度もの是非。強調したいが、「くるくる、くるくると」も使っているので、ややしつこすぎるか。

 

3「何回、たたきつけられただろう。それすらも分からなくなっていた」

カット可能。たたきれつけられただろう=それ 指示語が疑問は変。たたきつけられたかのほうが無難か。

何回、たたきつけられたか。それすらも分からなくなっていた

 

4「そのとき、ギュッと引き留められた。」

特になし。

 

5「目の前を大きな車が通り過ぎていく。」

特になし。

 

6「手の中には、暖かな感触。振り向くと、少女が僕の手を握ってくれていた。」

手には、暖かな感触。振り向くと、少女が僕の手を握ってくれていた。

握る。つまり、手の中に手がある。したがって、手の中にははおかしい。

 

7「サラサラの黒い髪、くるくるした目。そこからは、大粒の涙が零れていた。」

そこからは、→そこから


8「やっと」

特になし。

 

 

添削後段落⑤
これで終わった……はずだった。けれど、僕はたたきつけられた。何度も、何度も。テープを巻き直すかのように。何回たたきつけられたか。それすらも分からなくなっていた、そのとき。ギュッと引き留められた。目の前を大きな車が通り過ぎていく。手には、暖かな感触。振り向くと、少女が僕の手を握ってくれていた。サラサラの黒い髪、くるくるした目。そこからは大粒の涙が零れ落ちていた。

 

 

段落⑥

鈴のような声が鳴る。ああ、きっと、彼女は天使で、僕を迎えに来てくれたんだ。そう思うと、力が急に抜けてきた。

 

 

1「鈴のような声が鳴る。」

特になし。プロローグの後半と対応しているため、カットしたくない。多様は厳禁!

 

2「ああ、きっと、彼女は天使で、僕を迎えに来てくれたんだ。」

文章が細切れすぎる!読みにくい!「きっと、彼女は天使で、僕を迎えに来てくれたんだ。」せめて、こういうカタチに。

 

3「そう思うと、力が急に抜けてきた」

次の文章とのつながりが問題。そうして、僕は意識を手放した~ぐらいは欲しいか。

 

4「目が覚めると、病院のベッドの上にいた。」

目が覚めて、飛び込んできたものは白い天井。僕は、病院のベッドの上にいた。そう、生きていた。あの子に助けられて…… ぐらいのほうがいい?何故か?目が覚めると~病院のベッドの のあいだに飛躍があるから。

 

 

添削後段落⑥

鈴のような声が鳴る。きっと、彼女は天使で、僕を迎えに来てくれたんだ。そう思うと、力が急に抜けてきた。そうして、僕は意識を手放した。目が覚めて、飛び込んできたものは白い天井。病院のベッドの上にいた。僕は生きていた。そう、あの子に助けられて……

 

後書き

 

これは酷い。