『僕が天使になった理由』雑感 印象的・好きなシーン集

 

1 前書き

 

前回の記事では『僕が天使になった理由』の共通ルートに焦点を当てましたが、語りきれなかったところがあったので、今回はそのあたりに触れていきます。また、以下の内容にはネタバレが含まれております。ご注意ください。

 

2 『僕が天使になった理由』印象的・好きなシーン

 

ⅰ共通ルート

 

 

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幼馴染ですねぇ。何てこともない場面ではありますが、彼女の想いの深さが伺えるところが良いですね。

 

 

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アイネは表情が本当に豊かで、こちらも楽しく(?)なってきます。可愛い。

 

 

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「誰にも聴かれない音楽にどんな価値があると思う」 これは難しい問いだと思います。最近、『月と六ペンス』を読み終えたこともあって、この種の話題には敏感になりがちなところがあり……

 

 

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この作品では、どちらの選択肢をとるかで悩まされましたね……前回の記事でも言及しましたが、私たちにできることは彼らの気持ちを推測し、決断することだけなんですよね……その意味で、天使/心を欠いてしまったものたちの関係性はプレイヤー/プレイヤーキャラクターの関係に類比的かもしれないなぁと思いました(本人の意思とはかかわらず、その人の運命に介入するという点において)

 

 

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このCG、良いですよね。『僕が天使になった理由』のCGは構図が好みのものが多く、そちらも楽しめました。

 

 

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アイネのこういうところは好きですね。倫理的だと思います。しかし、この場面はアイネの特異性を際立てるためか、他の天使の適当さが目について、何とも言えない気持ちになりました(しかし、天使の状況を踏まえるとむべなるかな……)

 

 

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この問題、わりと根が深いのではと思っています。言ってしまえば、天使の仕事は誰かの不幸のうえに成り立っていて、しかも、天使はその役目を果たせないと存在を維持することができないというのはえげつない話だと思います。このあたりの話は『Fate /Stay Night』においてもされていましたね(確か)

 

 

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 アイネのこういうところは好きになれないですね。誰もが、彼女のように強くあれるわけではないので……一方、桐ノ小島くんはこのあたりの配慮がしっかりしているなぁという印象。多分、過去の経験で深い傷を負ったからこそ、そのような人間への気配りがしっかりとしているのだろう(このあたりは普遍化しがたいところでもありますが)

 

 

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これは微妙な問題ですよね。相手の気持ちを配慮することは大事でしょうが(前回の記事で言及したように)、行った側がそれを主張してしまうと、独断の免罪符になりかねないという危うさがあるようにも思えます。

 

 

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この二人には本当に幸せになってほしい……

 

ⅱ 奈留子ルート

 

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ライオスくん、倫理的ですよね。

 

 

 

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 可愛いんですよね……このルート では、些細な描写からもやりきれなさが拭えないところがあり、素直に萌えられないとも言えますが……

 

 

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 奈留子の愛が深さが辛い(褒めています)自分の気持ちを押し殺し、それを押し殺しているということすらも当人には気取らせない。ひたむきな献身 が眩しすぎる。やはり、自分はこの種の描写に弱いらしいです(『Rewrite』のterra 編の最後の選択肢などもそうですが……あれも愛ですよね)

 

 

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 このCGは構図が素晴らしいですね。カメラが引いた位置に置かれていることによって、二人の距離の遠さが浮き彫りになっている。

 

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 清人くんの格好良さが辛い。本当に良い人で、だからこそ、辛さが際立つのですよね……

 

 

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 何故、先生がいるのだろうか……?奈留子ルートでは、先生は恋人と故郷に帰ったはずで(確か)、ここにはいないはずなんですよね。赤い糸の影響によって、二人は別れてしまい、先生は復職した~という経緯があるならば、頷けるのですが……いずれにしても、唐突さが否めませんでした。

 

 

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 このあたりは、天使業についての話としても読めますよね。

 

ⅲ アイネルー

 

 

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 この絵は口元の描かれ方が絶妙ですよね。恥じらい・そのほかの感情が入り混じっているという、感情の機微が表れている。可愛い!

 

 

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 美しすぎる……

 

 

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 個人的に、アイネルートは、誰かが利益を享受するとき、別の誰かがそれの皺寄せを食らうという、犠牲の論理をどのように打破するかという話だと解釈しています。そして、犠牲の論理を打破するために誰かが犠牲となっていては、それは犠牲の論理の再生産でしかないのです。だからこそ、その者(この場合、桐ノ小島くん)が犠牲になったという意識を読み手に植え付けることはあってはならない。これを踏まえると、桐ノ小島くんが言っていることは頷けます。誰かを助けるために犠牲となることが、その者にとっての幸福に繋がっているならば、そこにあるものは win-win の関係です。この場合、犠牲になったという認識は弱まるように思えます(個人的に)しかし、この論理には穴があるように思えます。何故ならば、この論理を受け入れてしまうと、犠牲になることを自身の幸せとするようなものを生み出すことを否定することができなくなってしまうからです。自分は、そのような社会が正しいとは思えず(空疎な話かもしれませんが)、だからこそ、桐ノ小島くんの主張を手放しに受け入れることはできませんでした。そのこともあって、このあたりにはモヤモヤしているところがありますね。

 

 

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 同様の理由で、ここもモヤモヤしましたね。天使たちはそれを受け入れており、こちらにとっても利益になることであるため、これを否定することは難しい。が、そのままに受け入れることは違うのではないかと 何故、それはいけないのか(そもそも、本当にいけないのか)を考えることは課題ですねー。

 

 

 添い寝CG、GJ!(はてなブログの規約に抵触しそうなので、CGの掲載は控えています)

 

 

3 後書き

 

ということで、『僕が天使になった理由』の雑感でした。一応、前回の記事では『僕が天使になった理由』での主題(?)についての言及をしましたが、片手落ちなところがり(例えば、天使たちの独断によるところが大きいという点において、天使と天使業の対象の関係性はアンバランスなものですが、そもそも、そのようなものは許容されるのかという問題があり……問題についての同意を得ることが難しいからと言って、そのために独断が許容されるという話になると、転げ落ちていくようにあらゆることが許容されてしまいそうで)そのあたりについては今後も考えていきたいですね。また、考えが纏まったら、何らかの記事を書くかもしれません。