2020-01-01から1年間の記事一覧

『リトルバスターズ! エクスタシー』二次創作と愛の痕跡(神北小毬ルート)

「あなたの目が、もう少し、ほんのちょっとだけ見えるようになりますように」 視界に映るもの。個々人によって、その見え方はきっと異なるのだろう。それは、肉体の状態(視力など)に起因するものから、そうでないものも挙げられる。例えば、ある人にとって…

『リトルバスターズ! エクスタシー』名前の宿命を拒むこと、よき歯車とは(能美クドリャフカルート)

ライカ(ロシア語: Лайка、1954年 - 1957年11月3日)は、宇宙船 スプートニク2号に乗せられたメスの犬の名前。地球軌道を周回した最初の動物となった。 能美クドリャフカ。彼女の名前の由来は、地球軌道を周回した最初の動物、クドリャフカ(ライカ)にある…

『リトルバスターズ! エクスタシー』有限な生、始まりと終わりの海。

「チーム名は...リトルバスターズだ」 棗恭介はそう宣言した。この日、ひとつの野球チームが発足した。メンバーは井ノ原真人、棗鈴、棗恭介、直枝理樹の四人。在りし日、自分を暗がりから連れ出してくれた、あの時と同じではない。それでも、また、「リトル…

『Angel Beats!』どうしようもなく、過酷だった生を肯定すること

『Angel Beats!』では、死後の世界で、学園生活を送る人々の姿が描かれている。そして、彼らは未練を抱えている。 例えば、登場人物の一人、ゆりは裕福な家庭に生まれ育ち、幸せな日々を送っていた。が、ある日、その日々は崩れ落ちる。強盗が現れた。強盗は…

『Summer Pockets』 フィクションの夏、ノスタルジーの袋小路

夏休みと言えば、どんなものを思い浮かべるだろうか。友人と遊ぶ、虫取り、かき氷、駄菓子屋など。『Summer Pockets』においては、そのような夏の風景が描かれていた。しかし、自分は、現在に至るまで、そうした夏を過ごすことがなかった。ゆえに、この作品…

『中二病でも恋がしたい!』七宮智音という在り方 

前書き 考えを詰め切れていないところがありますが、書いておかないと忘れてしまいそうなので 中二病とは何か。この問いに対して、いくつかの答えが与えられるだろう。ここでは、『中二病でも恋がしたい!』の作中人物たちの姿から、その輪郭を捉えていきた…

最近の趣味、Vの話~『神聖にして侵すべからず』、フィクションによせて~

V

最近、「ヴァーチャル」とは何かということを考えさせられる。ひとえに、所謂「V Tuber(以下、V)」に嵌まっていることが大きい。本当のところを言えば、かつての自分はVに偏見を抱いていた。元々、実況・配信文化が好きで、Vに嵌まるための下地のようなも…